ブランドアイデンティティ

一昔前まで、日本は青に充ちていた。
明治時代に日本を訪れたイギリス人科学者は、町中に溢れる青の色彩に心底惚れ込み、ジャパンブルーと名付けたそうだ。
合成藍が開発され、美しさより効率を選んだ現代の日本では、目に留まるような藍染を目にする機会は皆無に等しい。
平安時代に貴族の色だった藍染は、鎌倉時代には武士が戦の必勝を祈願し下着として身につけた、そして江戸時代には庶民の色として花開き、着物や作業着、鯉のぼりまでもが藍染だった。
どこを見ても美しい青だったという古の町並み。
日本人が忘れてしまった本物の藍色を、誰でも知る青色にしたい。
だって、ジャパンブルーなのですから。